「SHORTの原則」(『知』のシャープナーより)

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先日「『知』のシャープナー 人生が変わる知的生産日記」(著者:御厩祐司)を読んでいたのですが、その中に「プレゼンのSHORTの原則」という法則が紹介されていました。

内容はビジネスミーティングなどで使う「プレゼン(プレゼンテーション)」向けなのですが、この内容は漫画原作にもマッチしていると思ったので紹介します。

SHORTの原則

「SHORTの原則」とは、下記の5つの単語の頭文字をつなげたものです。

・Subject(主題・テーマ)
・Humanity(人間性)
・Originality(オリジナル性)
・Reason(動機・モチベーション)
・Tempo(テンポ)

Subject(主題・テーマ)

まずは「テーマ(主題)」です。

これがないと読者に訴えるものがなく、読んだ後に何も残らないスカスカの内容になります。

またこのテーマがしっかりしていないと、原稿の直しの際にその場しのぎの展開に変えることで、主人公の行動や考え方に一貫性が無くなり、内容がブレやすくなります。

Humanity(人間性)

2番目は「人間性」です。

漫画の最大の面白さは、主人公を中心とした登場人物の魅力と、そのキャラクターから生み出されるストーリーです。

そのコアになっているのが、この「人間性」で、同じ出来事でも人物の人間性(思考・受け取り方など)で、行動が180度違ったりします。

Originality(オリジナル性)

3番目は「オリジナリティ(独自性)」です。

これがないと「読者が楽しめない」というよりも、その前に編集者にボツをくらって作品として発表できなくなります。

すべての面で独自性を出すのは難しいですが、漫画を構成する3要素「キャラクター、ストーリー、世界観」の3要素の全てにおいて独自性が無いと、読者を引き込むような話を作るのは難しくなります。

Reason(動機・モチベーション)

4番目は「動機・モチベーション」です。

これは主人公にとって非常に重要な要素です。

「なぜ主人公はそんな行動をとったのか?」「なぜ主人公はそこまでして、やり抜こうとするのか?」など、読者を納得させたり、読者を話に引き込むために非常に重要です。

Tempo(テンポ)

そして最後は「テンポ」です。

テンポは「作品の読みやすさ」や「読後の印象」に大きな影響を与えます。

コマ割がスムーズであればテンポよく読むことができるので、読者はストーリーに引き込まれやすくなりますが、反対にテンポの悪いコマ割りになっていた場合、ところどころ躓いて漫画の世界観に入りにくくなります。

またコマ割りだけでなく「間」の取り方も重要で、漫画の読みやすさは「コマ割り」「間」「文字の量」で決まると言われています。

そのため、セリフだけでなく、読者が読みやくなるようなコワ割と間の取り方、文字の置き方に気を配ることが重要です。

まとめ

この「SHORTの原則」に記載されている項目に注意しながら話の展開を考えることで、同じプロットでも全く違う印象の作品にする事ができます。

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